【Web改善・定番コンテンツ解説 #2】「お客様の声」
「お客様の声」ページは、なぜ信頼につながるのか?
企業や店舗のWebサイトにおいて、「お客様の声」は地味に見えて非常に強力なコンテンツです。商品やサービスの購入・導入を検討しているユーザーにとって、他の利用者の体験は、何よりの判断材料になります。
このコンテンツは、とくに説明が多くなりがちなBtoBや、信頼性が重視される業種で特に効果を発揮します。
なぜ「お客様の声」が信頼を生むのか
利用者の“生の声”は何よりの安心材料になる
自社が「いい商品です」と主張しても、当然のことと思われてしまいます。一方で、実際に利用した第三者が「この会社に頼んでよかった」と語る言葉には、説得力があります。
とくに初めての取引を考えているユーザーにとっては、リスクを感じやすいタイミングです。その不安を和らげてくれるのが、先行するお客様の声です。
第三者評価としての「信頼の裏付け」
企業からの一方的なアピールではなく、顧客側の視点から語られる体験談は、いわば「信頼の証拠」です。口コミやレビューを参考にする文化が根付いた今のネット社会において、「実際の感想」があるかどうかは大きな分かれ目になります。
自社の価値や魅力を「顧客の言葉」で再発見できる
お客様の声は、単なる評価にとどまらず、自社が思ってもみなかった“強み”に気づかせてくれることもあります。
たとえば、「対応が早くて安心した」「専門用語をかみ砕いて説明してくれた」など、自社では当たり前と思っていたことが、顧客にとっては魅力的だったというケースはよくあります。
「お客様の声」を掲載することで期待できる効果
- お問い合わせ・購入率の向上
比較・検討段階のユーザーが「信頼できそう」と判断しやすくなります。 - 商談前の心理的ハードルを下げる
特に高単価・契約型サービスでは「話を聞いてみよう」と思わせる効果があります。 - SEOへの間接的な貢献
顧客の言葉には、ユーザーが実際に検索に使うキーワードが自然に含まれることがあり、検索流入の補強にもなります。 - 社内のモチベーション向上
社員やスタッフが「ありがとう」と言われた声を見ることで、サービス提供者の意識にも好影響を与えます。
「お客様の声」を効果的に掲載するポイント
実名が出せなくても「実在感」を出す工夫を
実名・顔写真が理想ではありますが、業種や業態によっては難しいこともあります。その場合でも、以下のような情報を加えるだけで「架空ではない」という安心感を与えられます。
- ○○市在住/40代女性
- 飲食業(テイクアウト専門)/青葉区
- 個人事業主(グラフィックデザイナー)
顧客が法人であれば、「社名+肩書き+担当者名(苗字だけでもOK)」があると非常に効果的です。
長文でなくてよい。3〜4行でも十分
長文インタビューを掲載するのも一つの方法ですが、すべてがそうである必要はありません。1〜2行のコメントを複数集めて「お客様の声まとめ」として掲載するのも見やすく効果的です。
例:
「初めての相談でも丁寧に対応してくれて安心できました」
「こちらの予算に合わせて柔軟に提案してもらえました」
「説明がわかりやすく、スムーズに導入できました」
あえて簡潔な言葉を並べることで、ユーザーが「自分にも当てはまる」と感じやすくなります。
複数の声を定期的に追加する
「お客様の声」が1件だけだと、かえって信頼性が低く見えることも。可能であれば3〜5件は掲載し、時期の古い声ばかりにならないよう、半年〜1年に一度は更新したいところです。
CMS(WordPressなど)を活用して投稿形式で管理することで、更新の手間を減らすことができます。新しい声が追加されることで、サイト全体の「活動している感」も生まれます。
写真・直筆・音声・動画など「形式を工夫」する
可能であれば、お客様の写真やアンケート用紙のスキャン画像を添えると、よりリアルで信頼感が高まります。さらに最近では、以下のような形式も取り入れられています:
- 手書きのメッセージカードを撮影して掲載
- 音声やZoomインタビューの一部を動画化
- SNSでの投稿(タグ付き)を埋め込む
たとえば「Instagramでこんな声をいただきました」と投稿を引用すれば、リアルタイム性もあり、自然な口コミとして活用できます。
掲載前の「承諾確認」は必ず行う
お客様の声をWeb上で公開する際は、必ず本人に掲載の許可を取るようにしましょう。文面を多少整える場合も、事前に確認してもらうことでトラブルを防げます。
おわりに
「お客様の声」は、今ある顧客との関係性の中から生まれる、もっとも手の届きやすい信頼のコンテンツです。大がかりな取材や編集がなくても、日々のやりとりの中からピックアップできる言葉が、未来の顧客にとっては大きな判断材料になります。
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