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同じパスワード、使いまわしていませんか?

あなたの“いつもの習慣”が、ちょっと危ないかもしれません。

ネットバンク、クラウド、メール、SNS…。
仕事やプライベートで使うサービスが増えて、パスワードもどんどん増えていきますよね。

便利なサービスが増えるにつれて、管理すべきパスワードの数も増え、ついつい「覚えきれないから、いつも同じもので済ませてしまう」という方もいらっしゃるかもしれません。
「誕生日などの安易なものではなく、英数字を組み合わせているから大丈夫」──そう思われている方も、決して少なくないでしょう。しかし、同じパスワードの使い回しは、想像以上に大きなリスクを抱えているのです。

同じパスワード、使いまわしていませんか?

 

なぜ危険?使い回しが招く深刻なリスク

パスワードの使い回しは、自転車の鍵や、銀行のキャッシュカードの暗証番号全部同じにして、それを誰かに知られてしまったようなものです。
デジタルな世界では、さらに深刻な事態を招く可能性があります。

一つの漏洩が、芋づる式に被害を拡大させる

同じパスワードを使い回していると、利用しているサービスの一つからパスワードが漏洩した場合、他のサービスもたちまち危険に晒されます。
SNSのアカウントが乗っ取られただけで、個人情報をアップしたクラウドサービスや、ネットバンクまで連鎖的に被害が拡大する可能性があります。

「漏洩パスワードリスト」と自動化された攻撃

インターネット上には、過去に漏洩した大量のパスワードリストが出回っており、それらを悪用した自動化された攻撃ツールも存在します。これらのツールは、リストにあるパスワードを様々なサービスで試すため、使い回しをしているアカウントは格好の標的となってしまいます。

信用失墜と業務停止のリスク

もし、会社のアカウントが乗っ取られた場合、顧客情報や機密情報の漏洩につながり、社会的な信用を大きく損なう可能性があります。また、業務に必要なサービスが利用できなくなることで、事業活動そのものが停滞してしまうことも考えられます。

 

まずは「使い回しをやめる」ところから

最初から完璧な管理に切り替えなくても大丈夫です。
まずは、ネットバンク・クラウド・メールなど、重要なサービスだけでも別のパスワードにすることから始めましょう。
より安全なパスワードとは、一般的に以下のようなものです。

  • 12文字以上の長さがある
    文字数が長いほど、解読が困難になります。
  • 英字の大文字・小文字、数字、記号を組み合わせる
    これらの要素を混ぜることで、パスワードの複雑性が増します。
  • 個人情報やよくあるパターンを避ける
    生年月日、電話番号、名前、単語の羅列、「123456」「password」といった推測されやすい文字列は避けましょう。

しかし、「そんな複雑なパスワードをいくつも覚えるのは難しいし、管理も大変だ…」と感じる方もいらっしゃるでしょう。そこで役立つのが「パスワード管理ツール」です。

 

ツールを使えば、覚えるのは1つだけでOK!

パスワード管理ツールを利用すれば、複雑なパスワードを個別に覚える必要はなく、一つのマスターパスワードだけを覚えておけば、他の全てのパスワードを安全に管理・利用することができます。

Googleパスワードマネージャー(無料)

スマホやPCでログイン情報を保存して、自動で入力してくれる機能です。

  • Googleアカウントをお持ちであれば、追加のインストールなしですぐに利用可能。
  • 強力なパスワードを自動生成する機能も搭載。
  • 保存されたパスワードの漏洩リスクをチェックする機能付き。
  • PCとスマートフォン間で自動的に同期されます。
  • 詳しくはこちら https://passwords.google.com/

Bitwarden(無料プランあり)

「ちょっと本格的に管理したい」「家族やチームで共有したい」という方に。

  • マスターパスワード一つで、全てのパスワードを安全に管理。
  • PC、スマートフォン、ブラウザ拡張機能など、様々な環境で利用可能。
  • 無料プランでも十分な機能が利用でき、より高度な機能が必要な場合は有料プランも選択可能。
  • 詳しくはこちら  https://bitwarden.com/ja-jp/

 

より安全性を高める「二段階認証(2FA)」という選択肢

近年、多くのオンラインサービスで導入されているのが「二段階認証(2FA)」です。これは、通常のパスワード認証に加えて、もう一つの認証要素を追加することで、セキュリティを格段に向上させる仕組みです。
例えば、ログイン時にパスワードを入力した後、スマートフォンにSMSで送信された6桁の認証コードを入力したり、専用の認証アプリに表示される一時的な数字を入力したりする方法があります。

おすすめの認証アプリ

  • Google Authenticator(無料)
  • Microsoft Authenticator(無料)
  • Authy(無料/バックアップ機能付き)

二段階認証は、導入こそ少し手間がかかるかもしれませんが、一度設定してしまえば、その後のログインは非常にスムーズに行えます。万が一、パスワードが漏洩した場合でも、二段階認証を設定していれば、不正アクセスを強力に防ぐことができます。

 

自分を守る、ちょっとした“習慣”づくり

パスワードやログインに関するセキュリティ対策は、ともすれば後回しにされがちですが、一度トラブルが発生してしまうと、その影響は計り知れません。今回ご紹介した方法は、いずれも無料で始められるものです。
スマートフォン一つで手軽に始められる対策もありますので、「ちょっと安心できる暮らしのIT習慣」として、情報セキュリティを見直してみてはいかがでしょうか。